経営コンサルタントはうさんくさい!?
コンサルタントはうさんくさい!?
経営コンサルタント(以下、コンサル)に限らず、情報や、形のないサービスを提供する職種においては『うさんくさい』『いったいどんな仕事』と、疑問の声をいただくことが多いようです。
コンサルがうさんくさいと言われる原因の一つには、サービスの内容と結果が見えにくい、という点が挙げられます。
実際、コンサルをやっていると言うと、結局何をする人ですかと、多くの方にたずねられます。
また最近では、補助金や助成金の手続きや、士業の独占業務を代行するかのようなサービスを謳うコンサル事業所が問題視されており、一部とはいえ、そうした営業を行う事業所の存在が、コンサル事業全体のイメージダウンとなっているのも事実です。
士業について |
『士業』とは、弁護士や税理士、社会保険労務士(以下、社労士)といった、職種(有資格者)の方を指す言葉で、それぞれに『独占業務』と呼ばれる、その資格を持っている方(および必要な登録を行っている方)のみに許可された専門業務があります。 ※ALTでも、税理士、社労士、司法書士、弁護士の先生方からご指導、ご協力をいただき、業務を行っております。必要に応じてクライアント様へ、各士業の方をご紹介することも可能ですが、あっせんおよび、独占業務の請け負いや委託などは行っておりません。 |
コンサルを選ぶ基準は?
うさんくさいといわれることも多い経営コンサルタントですが、もちろん、そのほとんどはまじめに業務をおこなっており、日々クライアントの皆様のために奮闘しています。
といっても、違法ともいえる営業をおこなっているコンサルが一部存在することも事実です。
次は、そうした「うさんくさいコンサル」を見分けるポイントについてみていきましょう。
と、その前に補足情報を少々↓↓
そもそも一言でコンサルといっても、大手事務所と、私のように一人で業務を行っている事務所とでは、クライアントの層も違えば、アプローチの仕方、提案の内容に至るまで、大きな違いがあります。
そのためまずは、自社の課題は何か、何をどう解決したいのか、どのような成果を期待するのか、といった内容を、一度考えておかれる方が良いでしょう。
課題を見つけることもコンサル業務の一つなので、詳細にまとめておく必要はありませんが、ご自身の会社の状況を把握した上で相談に行かれる方が、コンサル側もよりスムーズなアプローチができ、何よりマッチングが適切か、お互いに検討する材料となります。
また、実際に相談に行かれる際には、会社の数字が分かる資料~決算書3期分と直近の残高試算表など~を持参されると、より深く、具体的なお話ができるかと思います。
◇コンサルを選ぶ際のポイント
・事業所としてきちんと機能しているか
事務所を構え、クライアントを迎える準備ができているか(ペーパーカンパニーでないか)、事務所は整理されて清潔感があるか、顧客情報の保護がなされているか、など、コンサル事務所としての機能に問題ない事業所であるかを見定めましょう。
・ヒアリングを重視しているか
初回相談時に、自身のサービスを過剰に案内したり、具体的な提案を急ごうとする場合は要注意です。
クライアントの事情や経営状況を理解もせずに、その場で解決策やアイディアを提示しようとするコンサルは、ともすると『結果報酬型』で、契約を急ごうとしている可能性もあります。
・見積りが明確か
大手の事務所では、クライアントの依頼に対し、複数名でプロジェクトチームを立ち上げて課題解決を進める場合も少なくありません。そのため、見積りの算出に時間がかかるケースや、求められる成果を出すために、プロジェクトの途中で追加の予算が必要となる場合もあります。
そうした事情から、正確な見積りをすぐに提示できないコンサルが良くないコンサルだと決めつけることはできません。
ポイントは、算出方法、提示の時期、追加費用の可能性など、見積全般に対して明確な情報を提示しているかどうかです。
見積の話をあいまいにかわすような場合には注意が必要です。
・提供できるサービス/提供できないサービスが明確か
コンサルには、画一的な業務や指標がないため、それぞれ得意分野や、できることに違いがあります。
何でもできる、というと、一見すごいコンサルのようですが、上述で指摘した、士業の独占業務を請け負うようなコンサルも存在します。
この人なら何でもやってくれそう、と感じた場合は逆に注意深く、少し突っ込んだ質問を投げて反応をみてください。
普通であれば、得意分野や、自身のコンサル業務のテーマがあり、反対に、不得意な分野、できないこともあるはずです。
自身の限界をしっかりと提示するコンサルの方が、より誠実にクライアントの方へ向き合っているといえるかもしれません。
・信頼できると感じるか/自分と波長が合うか
クライアントの方が、この人は信頼できる、と感じることができなければ、どんなに高名な先生であっても、そのコンサルは不合格です。
もちろん、上述のようなポイントをおさえた上での話ですが、結局のところ、コンサルティングはクライアントの皆様との信頼関係があってこその仕事です。
背伸びも気後れもせずに相談ができる、あなたと波長の合うコンサルをみつけてください。
そもそもコンサルは必要なのか?
最後に、そもそもコンサルが必要なのかについて考えてみましょう。
これはあくまで私の持論ですが、経営コンサルタントの役割とは『企業の存続をサポートすること』と考えています。
企業を支え、永続的な事業展開をサポートすることがコンサルの存在意義である、ともいえます。
そして企業とは、商品やサービスを生み、雇用を生み、物流を生み、経済を回し、税金を納めるという、経済の循環に直接的な影響を与える存在です。まっとうな企業であれば、存在し存続することそのものが、経済社会への貢献であるといえます。
ただし、この企業が存続するということには、本当に多くの、そして様々な課題があります。
資金繰り、労務問題、売り上げや利益の確保、後継者問題、企画開発の壁、税金対策、新しい法制度への対応、数え上げればキリがありません。
それぞれの課題がきちんと線引きされている場合には、各専門家の方のアプローチが解決の近道です。
もしあなたの企業が、税理士や社労士の方と契約をされているのであれば、経営数値分析や資金繰り、労務問題などについては、それぞれの先生に相談することができます。また、企業間や労使の紛争などで法的なアプローチが必要な場合には、弁護士の方に相談されるのがもちろんベストな選択でしょう。
しかしながら実際の企業経営では、複雑に絡みあった問題や、簡単に原因が割り出せない問題も多く存在します。
仮に原因がつかめても、一朝一夕には解決できないことがほとんどです。
この答えのない問題に悩み、不安を抱えたまま日々孤軍奮闘をされている経営者の方というのが本当にどれほど多いことでしょうか。その傾向は、地方など、都市部に比べて経済力の弱い地域の中小企業や個人事業主の方となれば、より顕著になります。
私は、経営問題の相談や解決にあたって、必ずコンサルが必要なのかと聞かれれば、決してそうではないと考えています。つまり『経営コンサルタントの必要性』ということであれば、必ず必要ではない、というのが答えです。
しかしながら『企業経営者の方を支え、経営課題に共に向き合うサポーターの必要性』をたずねられた場合には、必要だ、と答えます。これは、私自身が経営者としてたくさんの方々に支えられてきた実感からの答えです。
あなたが今、経営の課題に直面していたり、経営に行き詰まりや不安を抱いているような状況であれば、お一人で悩まれず、まずは顧問の先生方や身近で信頼できる方に相談されてください。
その相手は、決して経営コンサルタントである必要はありません。
大切なのは『一人で悩まないこと』です。
私たち日本人はおおむね、勤勉、まじめで忍耐強く、人に頼ることや甘えることを、人に迷惑をかけること=よくないことと捉えてしまう傾向があるといわれています。
そのため、会社経営においても、人に頼らず、弱音を吐かず、気丈にふるまう経営者の方が多いように感じます。
会社経営においては、人に頼ること、相談することは、まったくおかしなことではありません。
あなたの会社がこれからも成長し、長く存続していくことが、日本の経済にとっての社会貢献そのものです。
たくさんの方に支えられながら、これからより楽しく、よりよい経営をなさってください。
そのために、私たち経営コンサルタントの必要性を感じていただく機会がありましたら、それは大変光栄なことです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。次回投稿にもご期待ください♪